高血圧について
高血圧は、ほとんどの人で自覚症状が無いにもかかわらず、脳や心臓の血管の動脈硬化を進展させ、放置すると心臓病、脳卒中、腎臓病などの重大な病気を引き起こす可能性があり、サイレントキラー(静かなる殺人者)とも言われております。
実際、数多くの研究で高血圧は、脳血管病、心不全、腎機能低下、末期腎不全、認知症のリスクを上昇させ、日常生活動作低下と関連がある事が報告されており、我が国では年間10万人以上の人が、高血圧が原因で亡くなっています。

上記は厚生労働省ホームページより抜粋した、日本人のリスク要因別の関連死亡者数についてです。
影響度の度合いが大きいものから順に、高血圧、喫煙、高血糖、高LDLコレステロール血症、過体重・肥満、ヘリコバクター・ピロリ菌感染、アルコール摂取、塩分の高摂取などがありますが、循環器疾患に限定すると、喫煙や高血糖、高LDLコレステロール血症と比較しても高血圧は圧倒的に循環器疾患死亡に影響する因子となります。
然しながら、我が国の高血圧患者数は現在4300万人、有病率は40~74歳で男性60%、女性41%、75歳以上では男性74%、女性77%であり、人口の高齢化に伴い今後更に高血圧有病率は増加する可能性があります。
高血圧治療率(高血圧の治療を受けている患者率)は近年上昇を続けていますが、至適血圧を達成しているのは患者数のわずか27%です。患者数の29%にあたる1250万人は治療中にもかかわらず、降圧目標に未到達で、治療を強化されていない状況です。更に、患者数の44%は未治療(33%は高血圧であることに気づいていない)とされています。
脳卒中や心血管疾患の予防のためには適切な降圧治療による血圧コントロールが必須です。適切なコントロールの為に、まずは自宅で血圧を測定して下さい。

最近の研究で、脳心血管病(脳卒中や心筋梗塞など)の発症を予測する方法として、診察室血圧よりも、家庭血圧の方が優れているとされており、日本高血圧学会のガイドラインでも、高血圧の判定では、診察室血圧よりも家庭血圧を重視しています。
まずご自宅で血圧測定していただき、135/85以上であれば当院にご相談下さい。
また、健康診断で血圧高値を指摘された方、頭痛・めまいが気になる方、家族内に高血圧や脳卒中を罹患されている方、既に高血圧の治療中で他疾患も併せて相談したい方もお気軽にご相談下さい。他院で十分コントロール出来なかった方も多数来院されております。
当院では、自宅での血圧測定について指導、個々に応じた降圧目標を定め、無理なく続けられる生活習慣のアドバイスを行い、必要最低限の薬で効果的に血圧をコントロールし、合併症の早期発見に努めます。